車椅子に座ったまま電動で昇降できるリフトが付いたタイプのマイクロバスのことを「リフト付きマイクロバス」と呼びます。
別名「福祉バス」とも言い、老人ホームやデイケアサービスで遠足や旅行に行くときなどによく利用されていますね。
ただ貸切バスでリフト付きマイクロバスを使う場合に問題となってくるのが、台数が圧倒的に少なく予約が取りずらいこと。
どれだけ少ないのか、車椅子ごと乗れないタイプだとトランクに車椅子を詰めるのか、といったことを調査してみました!
リフト付きマイクロバスは、自力歩行が困難、もしくはできない車椅子の利用者が、旅行やイベントに出かけるときによく利用されています。
開口部が広く設けてあり、バック電動リフトで車椅子ごとグイッとラクラク持ち上げバスに乗車してくれるのが特徴。補助の方も一緒に乗車補助できるタイプのバスもあります。
マイクロバスで旅行などに行くとき、車椅子と乗車する方をそれぞれを補助の方が介助してバスに乗せるのは、なかなか手間と労力のかかること。
電動リフト付きマイクロバスなら車椅子ごとバスに乗れるので介助者の負担は大変少なくなります。
乗り降りに時間がかからないのもメリット。リフトごと載せた車椅子は、椅子を固定するベルト・設備でバスにしっかり固定。車椅子のまま装着できるシートベルトもついていて、安全に乗車できます。
マイクロバスのタイプにもよりますが、のせられる車椅子の数は2台から最大8台まで。遠足や旅行など、障がい者施設や老人ホームなどでグループでお出かけするとき、とても便利です。
では、実際に貸切バスでリフト付きマイクロバスはどのくらいの台数があるのでしょうか?
「マイクロバス牧場」に登録されているバス会社の中で、車椅子ごと乗れるマイクロバスの保有率を調べてみました。
データから見ても、貸切バス業界ではリフト付きマイクロバスの数が極端に少ないことがわかると思います。
台数が少ないことの理由の1つにリフト付きマイクロバスの値段が高額でメンテナンスにもお金がかかるということがあげられます。
またケースによってはバス会社内に、乗り降りの補助をできる人を用意する必要があります。
このためリフト付きマイクロバスを取り扱うことのできる会社は限られてきて、なかなか予約がとれない状況になってしまうのです…。
前述のとおり、通常のマイクロバスに比べて圧倒的に台数が少ないリフト付きマイクロバス。料金的には通常のマイクロバスよりやはり高額になってくるのでしょうか?
通常のマイクロバスを8時間・200㎞で借りた場合、2023年6月27日に国土交通省から発表された「新公示運賃額」に基づき計算した最低基準額は71,700円(税込)~※になります。
リフト付きマイクロバスの場合、20%程度割増になることが多く、最低でも86,040円(税込)~と考えられます。
リフト付きマイクロバスはどうしても車両自体が高額ということや、乗り降りに多少の工数がかかってしまうので通常のマイクロバスよりも高額に設定しているバス会社がほとんど。
車椅子の利用者が少ない場合は、普通のバスを利用したほうが貸切料金がリーズナブルではあります。
※実際のバス料金は各バス会社が運輸局に届け出た単価で計算されますので、正確な料金は見積りを取らない限りわかりません。
リフト付きか、通常タイプかを選ぶ基準として一つの目安は「移動距離」。
短時間であれば車椅子のまま固定できるリフト付きマイクロバスがやっぱりラクです。ただし長距離の場合は、座り心地を考えると車椅子に座ったままバスに揺られるのはなかなか大変ではないでしょうか?
普通の席に移って座られたほうが快適といった場合もあります。
どういった車両を選ぶかは、車椅子の方の人数やお体の状態・行き先・ご予算などに応じてご検討くださいね。
ところで美術館や映画館で障がい者手帳を見せれば料金が割引きになる「障がい者割引」があります。貸切バスでも障がい者割引は使えないのでしょうか?
国交省の出している制度として、貸切バスの障がい者割引は存在しています。
身体障害者福祉法、知的障害者福祉法及び児童福祉法の適用を受ける者の団体については3割引とする。
ただし貸切バスを使用する際には、法律上で料金の下限値というものが定められていて、その金額以下の料金で貸切バスを運行することはできないことになっているんです。
貸切バスの料金は、『時間制単価』と『距離制単価』があり、自分が利用する距離と時間をこの単価と掛け合わせて計算します。
単価は最低基準額のみが決まっていて、それを下回る料金では運行できません。また、単価は各バス会社ごとに違うので、見積りを取って比べないと損をしてしまう場合も!
貸切バス料金が最低基準額を下回らなければ、障がい者割引も適応可能です。障がい者割引が適用できるかどうかは、見積り依頼時にバス会社と相談を。
リフトのない普通のマイクロバス、車椅子を乗せることはできるのでしょうか?
後部シートをたたんで、トランクルームにすることのできるタイプのマイクロバスだと乗車人数は20名までと少なくなってしまいますが、ある程度のスペースを確保することができます。
例えば日野自動車「リエッセⅡ」25人乗りタイプのリアトランクスペースの場合ですと、荷物室のサイズは横188㎝、奥行きが83㎝。後部扉は観音開きで、その間口は横113㎝、高さは149㎝になります。
車椅子の中には重たくて持ち上がらない電動タイプや折りたたむことが困難なタイプもありますのでどんな車椅子でも乗せることはできるとはいえませんが、折りたたんでこのサイズ内に収まる車椅子なら荷物として積むことができますね。
ただし普通のマイクロバスを使用する際は階段などもありますので、乗車する人が介助があればある程度車椅子から降りることのできることが前提です。
補助の方が必要になってくる場合が多いでしょう。
車椅子でもラクに乗り降りできるリフト付きマイクロバスは、車椅子で旅行やお出かけを楽しむためにはとても便利。
今後高齢者が増えていくため、ますます需要が増えていきそうなバスですね。
ただこの記事で解説したとおり、もともと台数が少ないため所有しているバス会社1件1件に自分で問い合わせするしかありません。「リフト付きマイクロバス+貸切」などのキーワードで探してみましょう。
通常のマイクロバスをお探しの方は、便利な当サイトの無料お見積りフォームからの一括見積りサービスをどうぞご利用ください。