手軽に借りられる、といった情報を割と目にする貸切バスですが、実は極端に安く借りられるわけではありません。
なぜならば、2013年の関越道の大型バスの事故を受けて、国土交通省により貸切バス料金の最低基準額を決めて、各社で価格設定を行っているからです。それでも、利用者が工夫をすることで貸切バスを安く、お得に借りることはできます。
貸切バスの料金の相場と安く借りる方法を紹介します。
貸切バスは「一人いくら」の計算ではなく、「一台いくら」の計算になります。
よって人数が多い方がお得になります。
また、利用条件や利用時期、住んでいる地域の相場によっても変わりますが、大体、料金の計算方法は決まっています。
料金の計算方法は、2023年6月27日に発表された(9月下旬から実施予定)国土交通省が決めた公示運賃(最低基準額)に基づいています。
バスを「何時間走らせたか」により算出される「時間制運賃」。バスを「何km走らせたか」により算出される「キロ制運賃」を足したものがバス料金です。
実際のバス料金は、1時間当たりの運賃と1km当たりの運賃は各バス会社ごとに届け出ており、それをもとに計算しますので、見積りを取らない限り、正確な料金を出すことはできませんのでご了承ください。
※すべて税込金額
実際にバスを走らせた時間+点検などに必要な2時間×時間単価
*安全対策強化の一環として一運行ごとに2時間が必要になっています。
これはバスが車庫を出発する前と車庫に戻った後、安全点検を行う時間を2時間のことです。
これは必ずとらなければなりません。なお、この時間も運行時間に加算されます。
一例:最低基準額を適用した場合で大型バスを6時間、借りた場合の計算方法
(6時間+2時間)×6,680円=53,440円(税込)
キロ制運賃=走行距離×キロ単価
キロ制運賃の計算方法ですが、バスが車庫を出発して、利用者がバスに乗る場所までの移動距離も含めて計算されます。
例を挙げますと、職場まで迎えに行き、温泉地まで送って終了の場合。バス会社の車庫から職場までの移動距離、温泉地から車庫までの移動距離も加算される、という事になります。
例えば最低基準額を適用し、大型バスで200km移動、車庫から利用者の乗車と降車場所までそれぞれ30km移動する場合は、(200km+30km+30km)×160=41,600円(税込)です。 なお走行キロは、10km未満は10kmに切り上げて計算します。
以上が、貸切バスの計算方法になります。
<例>下限の運賃を適用し、大型バスを6時間借り、200km移動、車庫から利用者乗車・降車場所までそれぞれ30km移動した場合の計算式は、(6時間+2時間)×6,680円+(200km+30km+30km)×160=95,040円(税込)
ただし、この金額は最低基準額のため、各バス会社ごとに届け出ている単価が異なります。あくまでも、この金額よりも安く借りることはできない最低ラインとして参考になさってください。
また、バスを乗降する場所まで回送する料金は含まれていないのでご注意を。
貸切バスを利用すると、割増料金が加算されるケースがあります。料金をお得に安く借りるには、この割増料金がなるべくかからないようにすればよい、という訳ですね。
貸切バスをお得に、なるべく安く借りる方法の二つめは「シーズンオフを狙う」、「平日(特に月・水)に借りる」ことです。行楽シーズンや大型連休中はどうしても混みあうので料金も割高です。
平日で、しかも2~3ヵ月前の予約であれば、かなりコストを抑えられるでしょう。
いかがでしたか。貸切バスの料金の算出方法とお得に借りる術を紹介しました。
貸切バス料金の最低基準額は法律で決まっています。万が一、問い合わせをしたり、見積もりを出してくれたりしたバス会社から極端に安い料金を提示された場合は注意して下さいね。