部活の送迎やキャンプ、BBQの移動に重宝するのがマイクロバス。
マイクロバスをレンタカー屋でレンタルして自分たちで運転すれば、料金は安く済むし、自分たちのペースで行きたいところに、それこそ自由気ままに行けますよね。
電車やバスなどの公共交通機関だと、時間の制約があったり、混んでいたり、他人の目を気にしたり・・・。考えただけで頭が痛くなってしまいます。
大勢で旅行する楽しさを満喫!車内で自由にはしゃげるのも、マイクロバス貸切の特権です。たくさんの荷物をいっぺんに楽々運べますし、小回りの良さを考えても、団体の移動にはマイクロバスが断然おススメ!
まあ、運転する人は大変ですが・・。
ところでみなさん、酒酔いや酒気帯び運転、していませんよね?
「当然!運転する前に飲むわけないじゃん」という方も、ちょっと注意が必要です。
運転する直前にお酒を飲んでいなくても、前日に飲んだという方は多いのではないでしょうか。
たとえば、キャンプやBBQ、部活の合宿などで、夜に宴会やコンパをすることってよくありますよね?注意しないと、前日に飲んだお酒が代謝されずに体に残っているかもしれません。
体の中にアルコールが分解されずに残っていれば、それは立派な「酒気帯び運転」になります。一晩寝ただけじゃ抜けきっていない場合って、結構あるんですよ。
マイクロバスはたくさんの人を乗せて運転します。酒気帯び運転で捕まる・・・なんてことになったら、みんなに迷惑がかかります。さらに、事故を起こすなんてことになったら、それこそ目も当てられません。
そこで1回目は意外と気づいていないお酒と運転のあれこれについて、ご紹介しましょう 。2回目は高速道路で事故・故障でバスが動かなくなった場合の対処法について学びます。
あなたは普段、どのぐらいお酒を飲んでいますか?「直前までお酒を飲んでいなければ問題ない」と思っているなら、大間違いです。
アルコールはお酒の種類や量によって、分解されるスピードが違います。だから、前日に強いお酒(アルコール度数の高い)を大量に飲んでしまったら、翌朝もアルコールが残っていることは、十分考えられることなんです。
お酒の種類別に、飲酒量と体からアルコールが抜けるまでの時間を表にまとめてみました。
アルコール単位 | ビール | 日本酒 | 焼酎 | アルコールが抜けるまでの時間 |
---|---|---|---|---|
1単位 | 中ビン1本(500ml) | 1合(180ml) | 0.6合(110ml) | 3~4時間 |
2単位 | 中ビン2本(1,000ml) | 2合(360ml) | 1.2合(220ml) | 6~7時間 |
3単位 | 中ビン3本(1,500ml) | 3合(540ml) | 1.8合(330ml) | 9~10時間 |
4単位 | 中ビン4本(1,500ml) | 4合(720ml) | 2.4合(440ml) | 12~13時間 |
*アルコール単位:お酒の中に含まれている純アルコール分が、20g前後のものを「1単位」として計算。
*ビールはアルコール度数が5度、日本酒は15度、焼酎は25度のもの。
*アルコール分解時間は60kg成人男性の場合(体格や体質、性別によって異なります)を想定。
例えば前日の宴会で、夜11時までビール瓶3本と日本酒1合を飲んで、翌朝の8時頃に運転するとしたら・・・?
ビース中瓶3本(1,500ml)はアルコール3単位。日本酒1合(540ml)は1単位。つまり、3単位+1単位=4単位になります。
4単位のアルコールが、体内から抜けるのにかかる時間は12〜13時間!前日に飲んでから運転するまで、9時間しか経っていないので、この状態でハンドルを握れば「酒気帯び運転」になってしまいます(お酒がなくなるのは、お昼の12時~13時まで待たねばなりません)。
キャンプなどは朝早くに出発することが多いので、要注意ですね。
アルコールが体から抜ける時間は、お酒の種類や量の他に性別や体重、体質、年代によっても違ってきます。
一般的に、若者より年配の人の方が、男性よりも女性(女性ホルモンがアルコールの分解を抑制する)の方がアルコール分解能力が低いそうです。
その他にも人種(日本人を含むモンゴロイドはアルコール分解能力が低い)や体重(体重が重いほどアルコールに強い)など様々な要素が関係します。
つまり、上の表で紹介した飲酒量とアルコールが抜ける時間はあくまで目安。人によってはアルコールの代謝にもっと時間がかかるかもしれません。
車を運転する時は、お酒を飲んでからアルコールの代謝に必要な時間が目安以上にかかるものと考えましょう。
体重などを考慮した以下のような計算式があるので、お酒を飲む際の参考にしてみてください。
夜の宴会などに参加すると、ついついお酒を飲みすぎてしまいます。一口飲むと、もう一口飲みたくなるのが人の常・・・。大勢で飲んでいると、どのぐらい飲んだかわからなくなってしまうこともよくあります。これでは、体内のアルコールがいつ抜けるのか、定かではありません。
翌朝早くに運転をしなければならない場合は、お酒は飲まない方が良いですね。
そうそう、お風呂やサウナで汗をかいたらアルコールが抜けるという噂がありますが、抜ける量はごくわずかで、あまり意味がありません。
「お酒に強いから」と思っていても、体内に入るアルコールの量は同じ。分解にかかる時間は変わりませんから、慢心はくれぐれも禁物です。
平成28年度の飲酒運転による事故は3,757件もありました(その中で、死亡事故にまで至ったのは213件もあります)。
法律の厳格化や飲酒運転に厳しい目が向けられるようになり、事故は徐々に減少傾向にありますが、それでもこんなにたくさん起こっているんです(とても他人事だとは思えません)。
飲酒運転による死亡事故は、飲酒なしの場合に比べ約8.4倍!この数字を見ただけでも、飲酒運転の怖さが身にしみます。
お酒を飲んで酔っ払うのは、アルコールが脳の働きを麻痺させるからです。
脳が麻痺すると何が起こるかというと・・・
■判断力・注意力が低下する
・スピードの出し過ぎや乱暴なハンドルさばきになる
・とっさの場合、適切な行動が取れない
■動体視力の低下
・視野が狭まり、信号や人、障害物に気がつきにくくなる
■運動神経が鈍る
・ブレーキ操作の遅れ
・ハンドル操作のミスを起こしやすい
といった状態に陥ります。その結果、事故へとつながる可能性がぐんっとアップするのです。
マイクロバスは大勢の命を預かって運転しなければなりません。ドライバーの方は、仲間や子供達の命を預かってハンドルを握っていることを、どうか忘れないようにしてください。
事故にまで至らなくても、警察の検問などで引っ掛かり、酒気帯び運転と判定されたらどうなるのでしょうか?
もちろん、罰則があります。どんなペナルティを受けるのか、下の表にまとめてみました。
【酒気帯び運転の場合の罰則】
罰則の対象者 | アルコール濃度 | 免許点数と処分 | 罰則 |
---|---|---|---|
運転手 | 呼気中0.15㎎/リットル以上、0.25㎎/リットル未満 | 違反点数13点・免許停止90日間 | 3年以下の懲役、または、50万円以下の罰金 |
運転手 | 呼気中0.25㎎/リットル以上 | 違反点数25点・免許取り消し(欠落期間2年間) | 同上 |
車を貸した人 | なし | ||
同乗者(お酒を提供した人) | 2年以下の懲役、または、30万円以下の罰金 |
【酒酔い運転の場合の罰則】
罰則の対象者 | アルコールの影響 | 免許点数と処分 | 罰則 |
---|---|---|---|
運転手 | 酔って正常な運転ができない状態 | 違反点数35点・免許取り消し(欠落期間3年間) | 5年以下の懲役、または、100万円以下の罰金 |
車を貸した人 | 同上 | ||
同乗者(お酒を提供した人) | 3年以下の懲役、または、50万円以下の罰金 |
「酒酔い運転」とは、アルコール量に関係なく、お酒に酔って正常な判断ができずに運転している状態のことをいいます。
一方、「酒気帯び運転」は、呼気中に1リットル当たり0.15mg以上のアルコールが検出された状態のことです。これは、警察官が持っているアルコール探知器で計測されます。
たとえ、0.15mg以下であっても事故を起こした際は、お酒を飲んでいたと判断され、通常の交通規則の罰則より重い罪が科せられる場合がありますのでご注意を!
また、酒気帯び運転でも免許が停止されてしまう場合もあるんですよ!ハンドルを握っていない同乗者であっても、同じような罰則が科せられます。つまり、自分だけでなくみんなが共犯になってしまうんですね。
こんなにも厳しい罰則があるのは、それだけ「飲酒運転」が恐いものものだからです。
「ちょっとしか飲んでいないから大丈夫・・」という軽い気持ちが、大惨事を引き起こすことになるかもしれません。周りの人も、運転する人にはお酒を飲ませない。お酒を飲んだら運転をさせない、という強い心構えでいましょう。
こうして見てみると、キャンプやBBQ、合宿旅行などでお酒を飲む可能性がある場合、ドライバーには、旅行の前日を含め、お酒を飲まないという強い決意が必要です。
でも、みんなが楽しそうにお酒を飲んでいる中、自分だけ飲めないなんて・・・ちょっと残念。我慢するのってつらいですよね。周りの人も、飲んではいけない人がいると、やっぱり気をつかいます。
せっかくの楽しいバス旅なのですから、思う存分楽しみたい!みんなと一緒にワイワイお酒を飲むのが大好き!という方は、ぜひ、運転手付きでマイクロバスをレンタルしませんか?
そうすれば、何の気兼ねもなくお酒を楽しめますよ!
プロのバスドライバーさんは、営業所を出発したとき、戻ってきたときに、必ずアルコール検知器で酒気帯びチェックを受けます(旅行先でも、スマホや携帯電話を使い、遠隔で確認する義務があります)。
それに、運転はプロの運転手さんにお任せしてしまえば、バスの中で気兼ねなくぐっすり眠っていても大丈夫です。前日、盛り上がりすぎて疲れていたり、睡眠不足のまま運転して事故に・・・なんてシャレになりませんよ!
マイクロバスを借りられるレンタカー会社って、実は意外と少ないんです。だから、夏休みや合宿シーズンなどは、マイクロバスをレンタルする人が多くなるため、希望の日時に借りられないこともあります。
また、近くに営業所がないことも多いので、遠くまで借りに行かなくてはならない場合も・・・。ガソリン代や車両保険に加入したり、車をとりにいく手間や交通費など、見えないコストも結構かかってくるんですよ。
「でも、できるだけ安く利用したいし・・」ってお思いの方。実は、運転手付きでマイクロバスを借りるのって、意外にリーズナブルなんです。
レンタカー会社でマイクロバスを借りた場合(26〜29名乗り)、1日あたりおよそ30,0000円程度かかります。 これに別途、ガソリン代、オプション料金(保険代、チャイルドシート、タイヤチェーン、キャリアなど)、車を取りに行く交通費などプラスされれば5~6万程度になります。
一方、運転手付きでマイクロバスをレンタル(成席20名、補助席付きで~26名)、日帰り利用すると、最低77,700円から(東京出発で10時間・250㎞利用、バス会社ごとに単価が異なるのであくまで最低基準額です)。
ただし、この料金には、車両保険料やガソリン代、運転手さんの人件費も含まれています。しかも、安全のためにドライブレコーダーや車線逸脱警報器などを搭載するなど、事故をおこさない工夫を各バス会社で独自に行っていて、安心度大。
こうやって貸切バス料金を比較してみると、実際のところ1~2万円ぐらいしか変わらないんですね!
差額を乗車人数で20~26人で割れば、1人当たり390~1,000円程度。これだけで、誰もが安心して気兼ねなく過ごせるんだったら、お得じゃないですか!!事故を起こさないための「保険」と考えることもできますね。
アルコールで麻痺した脳で運転することは、きわめて危険であるということ。アルコールが体内から抜けるのには、思いがけず時間がかかること。わかっていただけたでしょうか?
大勢を一度に運ぶマイクロバスを運転するということは、多くの人の命を預かっているということ。ぜひ、忘れないでほしいと思います。
ハンドルを握るなら、前日からお酒を飲まないように!!「酔っていない」と思っていることと、実際にアルコールが体内から抜けている、ということは違います。
そして、アルコールの影響が残っている状態で運転し、事故を起こせば、それは自分1人の問題だけでは、済みません。同乗者も同罪になってしまうので、気を付けましょう。事故は、自分が原因で起こすだけではありませんよ!もらい事故だってあるのですから・・・。
利用の仕方によっては、運転手付きでマイクロバスをレンタルした方が安い場合もあります。「マイクロバス牧場」で、運転手付きで借りた場合の見積もりを取り寄せて、ぜひ、比較してみてください。ほんの少しの違いで、安心してバス旅行や合宿の送迎がお願いできるんだったら、すごくお得ですよね。
運転はプロに任せて、安全・安心なバス旅行を楽しんでくださいね。
次回は、徳島自動車道で起きたマイクロバス事故の悲劇を繰り返さないために、高速道路での正しい退避法をお知らせします。