「クラブの試合送迎や合宿で頻繁にマイクロバスを使う」
「仲間と旅行に行く機会が多い」
「旅館を経営しているので、お客様の送迎にマイクロバスを使いたい」
などの理由からマイクロバスを自分でも所有したいと考えていらっしゃる方がいらっしゃいます。
マイクロバスを自分で所有するのって実際のところ、どんな手間や費用がかかるのでしょうか?
マイクロバスの車体料金や維持費、必要になってくる定期点検のことについて調べてみました。
マイクロバスを購入するにあたってまずは車両代金について調べてみました。
新車の料金ですが、マイクロバスのメーカーが発表している情報によると、乗車人数やグレードに合わせて400万円から800万台くらいまで取り扱っています。
(トヨタ「コースター」、三菱ふそう「ローザ」クラス)
「高い!」と思われる方も多いとは思いますが、例えば大型バスを購入しようとすると新車で2500万以上はかかりますので、バスの中では比較的購入しやすい価格帯になります。
「新車なくてもいいから安く買いたい!」といった方は中古車情報をチェック!
ネット上に掲載されているマイクロバスの中古車情報を調べてみると、車両の古さや走行距離にもよりますが約300万前後から見かけます。
普通自動車なら数十万から中古車をとり扱っていますがマイクロバスの場合は中古でも高級車の新車料金くらいするので、気楽に購入というわけにはいかなそうですね~。
中古バスのディーラーさんに探してもらうと、どうしても手数料等で高くなってしまいますよね。そんなときは「中古バスの達人」を利用してみてはいかがでしょうか。バスの売り手から直接購入できるので、初期費用を抑えることができます。購入までのやりとりは事務局が最後までサポート!安心して購入できますよ。
≫詳しくは「中古バスの達人」をチェック!
マイクロバスの維持にかかる費用について考えてみました。
用途が人の運送で定員が11名以上の自動車にあたるマイクロバスは「2ナンバー」の車ということになるのですが、2ナンバーの車の自動車税は排気量でなく車両の定員で税額が決まってきます。
乗車定員30人以下の車で自家用車は33,000円。
マイクロバスは30人以下のバスになるので、自動車税は33,000円ということになります。
普通自動車の自動車税は排気量で決まってくるのですが、一番排気量の少ないタイプの車両(総排気量1リットル以下)でも自動車税は29,500円かかりますので、マイクロバスは大きさを考えると妥当な税額ではないでしょうか?
自動車税の他に自家用マイクロバスには重量税がかかってきます。
重量税は車体の大きさ、エコカー減税が適用されるかどうか、エコカー減税が適用されない車両の場合はその年数など、車両の条件によって細かく決められています。(※注1参照)
エコカーだと減税が適用されますので、税額も安くなります。
(※注1)
「環境負担等による税率の軽減や重課」
排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車について、その性能に応じて税額を軽減し、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車については税額を増額する制度です。
自賠責保険とは「自動車損害賠償保障法」で、交通事故で被害にあった方の対人賠償の支払いを目的とした強制保険。
管轄する国土交通省では、交通事故による被害者の保護と自動車運送の健全な発達を目的に、すべての自動車に加入を義務付けています。
自賠責で保障される保証額の限度は、死亡は被害者1名ごとに3,000万円、後遺障害は4,000万円、傷害は120万円となっています。
マイクロバスの自賠責保険料は、12ヶ月で16,420円、13ヶ月で17,380円。
これに対して普通自動車の自賠責保険料は、12ヶ月で15,600、13ヶ月で16,350円で設定されています。
普通自動車の車検の有効期限が2年間なのに対して、マイクロバスの車検の有効期限は1年間。
そのため1年に1回は車検代が発生します。
また、この他に3ヶ月に1度の定期点検代もかかってきます。
車検代は、お持ちの車両の年式やお願いする整備会社しだいになってきますので一概にいくらとはいえませんが、10万以上はかかると思ったほうがいいでしょう。
車検の際に税金や自賠責保険なども車検をお願いする際に支払うことになります。
また車検のときに、古くなった部品やタイヤ交換などをお願いすることも多いと思います。
マイクロバスはタイヤの価格だけでも1本17,000円くらいはすることが多いので、4本交換するとタイヤ代だけで68,000円くらい。
こちらにタイヤ交換費用もかかってくるのでタイヤ交換だけでも結構高くつきますね。
同じマイクロバスの車検でも古い車両だと部品交換だけかなり高額になる可能性があります。
(車検でかかる主な費用項目)
強制加入の自賠責保険に対して任意保険に入るかは個人の判断に任されていますが、いざというときのために民間の任意保険にも加入しておいたほうがよいでしょう。
任意保険とは自賠責で保障できる事故で被害額を超えてしまったときに保障してくれる保険のこと。
他人の者を壊してしまった場合の物損損害や自分自身または同乗者の死亡・後遺障害への補償など、幅広くカバーしています。
ただどこまで補償対象になるかは加入した保険によって変わってきます。
保険料に関しても、車両の種類はもちろん、週末だけ使用するのかそれとも毎日使用するのか、保険に加入する人の等級(事故を起こさない人ほど保険が安くなる仕組み)や年齢などによって全く変わってきます。
ただマイクロバスは補助席を入れて最大26名前後が乗車できるバスなので、不特定多数の乗車した人の保証までを考えると普通自動車より高額になるのはやむを得ないといえます。
税金や保険、整備費の他に、日常的にかかってくるのがガソリン代。
「マイクロバスは普通車より車体が大きいのですごく燃費がかさみそう」とお思いになるかもしれませんが、マイクロバスは軽油で走る車両とガソリンで走る車両があり、軽油で走る車両は比較的燃費も安くなるようです。
だいたいのマイクロバスの燃費の平均は以前当社で調査した結果によると、メーカーやモデルによって差はありますが7.40(km/ℓ)~10.2(km/ℓ)、平均で8.6(km/ℓ)という結果でした。
これを具体的な金額にしてみると、2017年2月*の東京都の軽油の平均価格105円(1ℓ)を基準にして100km走行した場合約1,220円くらいということになります。
*2023年4月24日の東京都経由平均価格は149.5円(約1,738円)です。
忘れてはいけないのが、マイクロバスを停める駐車場料金。
マイクロバスはサイズ的に普通の駐車場に駐車することはできません。
そのため自宅にマイクロバスを停めるスペースがない場合はバス専用の駐車場を確保する必要があります。
駐車場は地域によりますが都市部ほど高額になってきます。
自己所有に関わる費用をまとめましたが、その中の「駐車場」はなかなかに面倒な項目です。
マイクロバスを自家用車として購入するためには警視庁に「車庫証明」を提出する必要があります。
自宅の敷地が広く、マイクロバスを停車することができる場合は自宅スペースを駐車場として申請すれば問題ありませんが、そうでない場合は駐車場を探す必要があります。
マイクロバスは小型のバスといっても最長7mくらいになるので、なかなか自宅近辺に駐車場が見つからないことも多いでしょう。
バスを置く場所は自宅から保管場所までの距離は直線距離で2kmを超えてはいけないという規定もあるので注意が必要です。
月極駐車場検索サイトなどでバスの駐車場を調べるときは、大型車可能で、全長7mという条件をクリアするかをまず確認し、車高や車幅も大丈夫かどうかをよく確認するようにしましょう。
マイクロバスを所有する場合、自家用車であっても運行開始前の定期点検と、3ヶ月毎に定期点検を行うことが、国土交通省より省令として出されています。
(参考)国土交通省「点検整備制度と車種の関係」
運行前の定期点検は「自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。」と定められています。
点検項目例は以下のことがあげられます。
運行前点検については、国土交通省のサイトで詳しく解説されています。
上記は一例なので、詳しく確認しておきましょう!
3ヶ月毎の定期点検については、ブレーキの状態をはじめ、タイヤやサスペンション、クラッチ、バッテリーなど、安全に走行するための各部所の確認・点検を行う必要があります。
また3ヶ月毎の定期点検の他に必須条件として、1年ごとに車検に出すことが必要。
頻繁に行わなくてはならない点検は費用も手間もかかりますので所有者にとっては負担ですが、乗車する人の命を預かるマイクロバスを保有する者の義務として考えたほうがよいでしょう。
マイクロバスの個人所有に必要となる費用や点検のことについて取り上げてきました。
普通自動車に比べ維持するのが大変と思われたことも多いでしょう。
頻繁にマイクロバスを使うなら別ですが、たまにしか使わないのであれば貸切バスやレンタカーでマイクロバスを利用する方法もあります。
貸切バスの料金がどれぐらいかかるの?と気になったらお気軽にお問い合わせくださいね♪